埴輪は古墳に立て並べられた素焼きの焼き物です。
遠賀川流域では4世紀後半頃から6世紀にかけて作られました。
それは、円筒埴輪と形象埴輪に大別されます。
円筒埴輪には円筒形の単純なものと朝顔形があり、そして形象埴輪には家形埴輪、器材埴輪、動物埴輪、人物埴輪があります。
円筒埴輪の原型は、円筒形が弥生時代後期の器台形にあり、朝顔型円筒埴輪は器台型土器の上に複合口縁の壺形土器をのせた形であると説明されています。
遠賀川流域では、現在35ヵ所ほどで埴輪が発見されています。
円筒埴輪が多く、稲築町沖出古墳・同次郎太郎古墳、穂波町小正西古墳、飯塚市寺山古墳など8ヵ所の古墳から形象埴輪が発見されています。
飯塚市目尾窯跡から馬と人物埴輪が発見されており、遠賀川流域では唯一の埴輪の生産地といえます。
4世紀の中頃まで壺型の埴輪が見られ、4世紀後半頃から円筒・朝顔形・家形埴輪が現れます。
5世紀の終わりの頃には人物埴輪が登場し、6世紀には動物と人物埴輪が見られます。
田川市猫迫1号墳の馬形埴輪は様式化されず、非常にリアルに造られていることが特徴です。
いっしょに出土している陶質土器の器台と壺は5世紀半ばでも前半にさかのぼる年代が推定されます。
この馬型埴輪はわが国において最古級の馬形埴輪であり、5世紀半ばの前半頃に、全国に先駆けて田川地方で馬が飼育されていたことを示す有力な証拠であり、朝鮮半島からの馬の到来を考える上で重要な資料と考えられます
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