(4)戦後最大の洪水

昭和28年6月25日から降りはじめた雨は、九州北西部を中心に降り続き、筑後川、白川や菊池川にも多大な被害をもたらしました。

遠賀川流域にも雨が降り、連続雨量の分布は、右図に示すとおり、ほぼ遠賀川流域全部に多くの雨をもたらしました。

特に上流においては600mm を越える状況となりました。

この雨量の時間により移り変わりを見てみると、25日~26日にかけて第一波の集中豪雨が発生し、28日において第 二波の降雨が発生するという、いわゆる2山の降雨波形となっています。

遠賀川の洪水の特徴は鉱害によって引き起こされることで、炭鉱の微粉炭が川底に堆積し河底が上がることで水位が上がり、堤防の沈下個所からの破堤や決壊しています。
また、遠賀川周辺に多くの炭鉱街があり、その生活用水として川の水を利用するため、多くの取水堰があることにより、川の流れが妨げられ堰の部分から破堤を起こすことなどが目立っています。